子どもへの勉強方法に悩んでいませんか?

・子どもを勉強させるために、ご褒美与えてはいけないの?
・褒めて育てるべきなの?厳しく躾けるべきなの?
・ゲームは子どもに悪影響があるの?
誰もが考えてしまう難しい悩みです。
日本の教育は、誰しも自分の過去の経験から「ああやっとけば良かった、こうやっとけば良かったと」反省から導き出された自分の考えを基礎に主張がされています。
しかし、教育の先進国であるアメリカは、2000年代の初めに「科学的な根拠に基づく」教育対策が実施されデータで結論が導き出されました。
勉強を「ご褒美」で釣ってはいけない?の回答は「勉強はご褒美で釣れ!しかも、ご褒美は目の前にぶら下げると効果的」です。
アメリカで得られた科学的根拠の結果をもとに「勉強」と「ご褒美」の因果関係を数値と実例を用いて解説します。
日本教育の現状は周回遅れ
日本の教育は「科学的な根拠が必要だ!」という考え方が浸透していないのが現実です。結果、情報発信する側も受け取る側も間違った方向に進んでいます。
具体的な例をあげて説明しようと思います。
日本メディアの教育報道はミスリードばかり
文部科学省は「全国学力・学習状況調査」学力テストの結果を利用して、子どもの学力と家庭環境の関係性について分析されています。
親の年収や学生が低くても学力が高い子どもの特徴は、家庭で読書をしている
学力テストの結果と家庭環境の関係性を分析結果によると
「親の年収や学生が低くても学力が高い子どもの特徴は、家庭で読書をしている」と報告されました。
結果、多くのメディアでは「子どもに読書させることが重要」と報じました。
民間の調査でも「東大生の8割がリビングで学習をしている」と報告され、こちらも多くのメディアによって発信されました。
東大生の8割がリビングで学習をしている
リビング学習は聞いたことありませんか?私たち家族も住宅をどうしようか?と検討していた時に、住宅メーカーの営業がセールストークとして利用していました。
「読書」「リビング学習」とも初耳のときは、何となく納得できてしまうぐらい、分かりやすくてインパクトがあるデータです。
ただ、この分析や報告は正しい結果を表したものとは言えません。「読書」と「リビング学習」のどちらも相関関係があるだけで、因果関係ではありません。
つぎに相関関係と因果関係について解説します。
因果関係と相関関係の勘違い
因果関係と相関関係は日常的に利用する言葉ではないので、理解が難しいと思います。
相関関係とは「〇〇と△△が同時に起こっていた」ことを表現しています。
もう少し具体的に表現してみます。
- 赤信号で多くの人が止まって混雑していた
- 渋谷のスクランブル交差点は混雑していた
どちらも混雑していた結果は同じですね。
上の例文(赤信号で多くの人が止まって混雑していた)は「赤信号が原因で混雑していた」と因果関係が説明されています。
しかし、下の例文(渋谷のスクランブル混雑していた)は、相関関係を表現しているだけです。
渋谷のスクランブル交差点は、信号が赤でも青でも、いつでも混雑しています。交差点が混んでいる原因は信号とは別にあります。
学力の話に戻します。相関関係と因果関係に注目して「読書」「リビング学習」を読み解くと
「読書」をしている子どもは「漢字の読み方」「語彙」などを自主的に調べることをしている。
「リビング学習」をする子どもは、テレビを見たりゲームをしたりする環境ではなく、時間があれば自分で勉強する環境が整っている。
- 「読書」する子どもは「漢字の読み方」「語彙」などを自主的に調べることをしている
- 「リビング学習」する子どもは、自分で勉強する環境が整っている
つまり、学力が高い子どもは「読書」や「リビング学習」が同時に起こっただけで学力が高い理由ではありません。学力が高い理由は別に存在しています。
勉強は目の前に人参をぶら下げると効果的
子どもを勉強させるために、ご褒美で釣ってはいけないのか?誰もが考える悩みです。
- 人参を目の前にぶら下げれば勉強をするという結果
- ご褒美で釣らなけれ勉強が出来ない
子どもが自主的に勉強をしてくれたら悩むことはありませんが、ネガティブな意味がある2つの考え方で悩んでしまうのは保護者として当然のことです。
この悩みを、一気に吹っ飛ばすことが出来る科学的な証拠をアメリカで発表されています。
経済学で証明された:教育の収益率
「教育の収益率」とは、教育を受けたことにより将来の収入が高くなるかを表したものです。
教育への投資で得られる収益率は、株や債券などの金融資産への投資などと比べても高いことが多くの研究で発表されています。
この考え方は、誰もが何となく理解できるのではないでしょうか?わかっているけど、できないのが現実です。
教育は早ければ早いほど、将来の収入が高くなることは証明されているにもかかわらず、目の前にご褒美がなければ勉強しないのでしょう?
この「分かっているが出来ない」理由も、実は科学的に証明されているんです。
目先の利益や満足を優先してしまう
人間は目先の利益が大きく見える特徴があります。遠い将来の大きな結果より、近い将来の小さい結果に満足します。
理論的に結果を理解していても、すぐに得られる満足を優先してしまいます。
この例を具体的に説明してみます。
半年後に10,000円をもらえるとします。もらえるタイミングを1週間遅らしたら11,000円に増額します。
と言われたら、多くの場合は1週間遅らして11,000円を得ようと考えます。
前提条件をちょっとだけ変更します。
今日10,000円もらえるとします。もらえるタイミングを1週間遅らしたら11,000円に増額します。
と言われたら、どうですか?一瞬、心が揺らいで悩みませんか?
1週間待つより今日もらえた方が良いと、ふと考えますよね。今日もらう方が良い理由がいくつも浮かんできます。
知らず知らずのうちに、人は目先の利益や満足を優先してしまいます。
つまり、この特徴を利用して子どもに勉強させる「勉強することが目先のメリットや満足になる」ことになります。
目の前にご褒美をぶら下げられると、子どもは今勉強することのメリットや満足につながり、率先して勉強を始めます。
子どもには今勉強するように仕向けて、勉強することを先送りさせないことが大切です。
あとがき
人間は理論的に考えて行動していると想像していますが違います。想像しているよりも本能的に行動しています。
日本の教育は科学的根拠による考え方が浸透していないので、間違った情報を信じてしまう傾向にあります。見えていない本質に気づけない。
逆にアメリカでは科学的根拠に基づいた研究が行われて成果も出ています。研究成果の1つが「目の前にご褒美をぶら下げて教育を行う」ことです。
目の前にニンジンをぶら下げることは、勉強することを先送りさせない解決策です。
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